2010年代の電子工作

電球型蛍光灯分解比較

最近エコの関心が高まり、消費電力の少ない電球型蛍光灯のバリエーションも増えてきました。そんな中、国内メーカー品とホームセンターなどで買える激安海外メーカー品の値段の差が気になります。

そこで2種類の電球型蛍光灯を分解し、その差に迫ります。
最初に分解するのは、日本が誇るNational(現在Panasonic)のパルックボールスパイラル(EFA15EL/12)です。
パルックボールスパイラル(EFA15EL/12)
今回分解するこの電球は1年ほど使用済みで、かつ電球は切れてるので多少の汚れはご了承ください。

まず電球の根元のプラスチックカバーを切断します。カバーの溝に糸のこの刃を当てながらゆっくり切りましょう。左の写真のようになったら、ニッパなどで金属ソケットまでのプラスチック部分を破壊します。すると中身が顔を出します。
 


あとは蛍光管と基板をつなげる端子を切断すれば基板が分離します。基板の材質はフェノールで作りもまずまずでしょう。表面実装部品もおそらく手はんだですが、きれいにできています。
 


コンデンサはなんとnichiconの105℃品(CAシリーズ)!さすがNationalです。  



次に分解するのはホームセンターコーナンで購入したLife-BALL EFA12ELC-KE(EFA12EL/11C)です。

この電球の最大の特徴はその安さで、僕はセール期間中で350円ほどで購入しました。通常でも400円台だと思います。先ほどのパルックボールの半額以下です!

スペックに関しても定格寿命6000時間、全光束810lmとパルックボールスパイアルとまったく同じで、さらに消費電力は1W少ない11Wです。

もちろんコーナンが製造元ではなくemproというメーカーのOEMです。



分解方法はパルックボールとほぼ同じですが、溝の部分を切断後、今回は上(電球のグローブ方向)のプラスチック部分を破壊します。蛍光管をつなぐ端子部分ははんだ付けしてないので、ほどけば簡単に外れます。あとは白いパッキンのようなものをなるべく取り除くと基板が分離します。
 


基板の材質は紙エポキシで、パルックボールの紙フェノールよりやや劣りますが問題ないでしょう。コンデンサはSAMWHAという韓国のメーカーのRHシリーズです(105℃品)。なんとこのSAMWHAという会社は偶然にもパルックボールで使われていたnichiconの合弁会社です。このサイトよると、まずまずなコンデンサだそうです。またSAMWHAのラインアップの中でも高信頼品なので割と高性能かもしれません。表面実装パーツの手はんだはやや雑です。
 


蛍光管の「台座」はパルックボールの方がしっかりしてます。普段はこんな感じで点灯します。

 



結論

・パルックボールに対し、Life-BALLはコスト削減のため簡素化された箇所がいくつかある。
・パルックボールは設計的に余裕が見られるが、電球において、この余裕=長寿命、高品質とは必ずしも言えない。
・Life-BALLは価格の割に十分丁寧な作りで、安全性はおろか、品質に関してもも期待できる。
・性能はほぼ同等。
・以上を踏まえて、私はLife-BALLをお勧めします。(Life-BALLの方がBetterなことを保証するものではありません)


番外編

せっかく分解したので、電球型蛍光灯のインバータで蛍光灯を点灯してみました。使った蛍光灯は100円ショップで買った日立のFL10D-Bです。
インバータなので、点灯は非常に早く、音も鳴りません。

 

注意:あくまで電球型蛍光灯用のインバーターで保護回路がないため、蛍光灯をはずして電源を入れると回路を破壊します。 また高圧な電流が流れています。絶対に触らないでください。大けがにつながる可能性があります。管理人はこのサイトで紹介した記事により生じたいかなる損害の責任をおいません。自己責任でお願いします。
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