PCM270x ボリューム比較
2012年3月はじめに
TI社のUSB DACと言えば、PCM2704やPCM2702などのPCM270xシリーズが有名ですが、それぞれのボリューム制御はかなり違うものになっています。 特にPCM2704をWindows Vista/7で使うと最小の音量でもかなりうるさくて不便です。それを解消したのがPCM2704Cになります。 動作させるOSでも出力音量は異なりますが、今回はWindows 7でのPCM2704、PCM2702、そしてPCM2704Cの音量の変化特性を調べました。
測定方法USB DACはこのサイトで紹介している、PCM2704、PCM2704C、PCM2702を搭載しているDACボードを使用しました。
出力信号はWaveGeneによって1kHzの正弦波を生成し、オシロスコープでそれぞれのボリュームにおける出力電圧(実行値)を測定しました。
なお、パソコンのボリューム設定はタスクバーのボリュームコントロールのみで行いました。
下のグラフがそれぞれのDACのボリューム特性です。
PCM2704,PCM2704C,PCM2702のボリューム特性
人間の音量の感じ方は対数表示したほうが近いそうなので、下のグラフは電圧軸を対数にしました。
グラフより、PCM2704、PCM2706などの無印PCM270xは最小音量でもC付のボリューム「10」に相当することがわかると思います。
PCM2704CなどのC付ですらまだ低ボリューム域での変化が激しすぎるように感じますが、無印版に比べたらはるかに使いやすいです。
無印とC付の比較は予想通りの結果で、TIが公開しているデータ(リンク先のP.2)とほぼ同じです。一方PCM2702の結果は予想外で、高ボリューム領域での変化が激しくなっています。
さらに、私の環境ではボリュームが7以下のときは何も出力されづ、よくわからないボリュームの仕様になっています。
今回の測定で、それぞれのDACの間での音量の関係がわかりましたので、音量を統一したい時などにどうぞ活用してください。